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Nanpa is Suicide

誰でも読めるが、誰にも読めないブログ。

僕は童貞を捨てた。好きでない女の子と3日間過ごしてみた(後編)

ナンパ

好きでない女の子と3日間過ごしてみた(後編)

 

僕が童貞を捨てた話。

 

「好きでない女の子と3日間過ごしてみた(中編)」の続きです。

 

前回のqqilleさんとの会合が終わって、一週間ほど経った時に、「好きでない女の子と3日間過ごしてみた(前編)」に登場した女の子から、突然LINEが来た。「最近どうしてる?」と一言。ちょうど深夜の12時ごろだった気がする。僕は驚いた。なんで彼女は連絡してくるんだろう?君は僕を振ったのに…それで、いろいろ話を聞いてみる。そうすると、どうやら彼女は寂しいらしい。彼氏だと思い込んでいた男と喧嘩したのだ。「その男とは二度と会いたくない、もう嫌い」彼女はそう言った。

僕は、これはもしかしたら、チャンスかもしれないと思った。というのも、彼女は、田舎で保育士をしていた。保育士さんは出会いがないということを、僕はナンパ塾で教わっていた。だから、思い切って「東京に遊びにこないか?」と誘ってみることにした。「ディズニーランドに行こうよ、東京案内するからさ。原宿のパンケーキ行こうよ(彼女は前回東京に来た時に、この原宿のパンケーキ屋に行けなかった。また、ディズニーが好きであった)」と誘ってみた。すると、「行きたい」と言ってくれた。そして、彼女はその3日後に、東京行きのチケットを予約した。

 

こうして、アポが決まった。しかも、人生初の2泊3日のお泊りアポが決まった。

僕がとてもうれしかったことは、言うまでもないことであったが、同時に少し不安でもあった。なぜなら、僕は彼女のことが全然好きではなかったからである。前回書いた通り、彼女は、デブあった。顔もよくないし、体臭もキツイ。僕は、彼女と一緒に3日間、時間を共にすることができるのか不安であった。

「それならどうして誘ったのか?」と言われるだろう。しかし、僕は、どうしても童貞を捨てたかった。自分を受け入れてくれる女性と、セックスがしたかった。そうでなければ、僕の人生は先に進まない。そう固く信じていた。

 

そして、当日の朝が来た。

当日の朝、僕は浜松町に彼女を迎えに行った。

相変わらず、彼女はデブであった。やはり、彼女には申し訳ないが、世間一般の基準から言えば、「ブス」と言われる部類に入ってしまうだろう。デブスと冴えないナンパ男が、浜松町で2か月ぶりに再会した。その事実を冷静に考えてはいけない、目の前の彼女に集中しなければならない、そう自分に言い聞かせた。

彼女は、白いゆるふわなワンピを着ていた、『anan』のモテ特集に出てきそうな格好であった。彼女は、男受けを狙ったファッションをしてきたのである。そんな彼女を見て、僕はうれしかった。こんな僕のために、彼女はわざわざ飛行機で遠路はるばる東京に来てくれたこと、また、おそらく僕を喜ばせるために、ゆるふわモテワンピを着てきてくれたこと。初めて僕という男が、1人の女性に本当の意味で承認された瞬間であった。僕は眩暈がしそうであった。まるで僕の人生ではなく、他人の人生を生きているような気さえした。

僕は、彼女になるべく明るく接した。一人の女性を喜ばせること、それができなけばならない。元引きこもりでも、元うつ病であっても、それができるんだ。それをこの世界に証明しなけばならない。そんな決意を持って、僕はこれまでの人生の中で、一番必死になっていた。

 

そして、彼女が行きたがっていた原宿のパンケーキ屋に行った。実は僕はその店を知らなかったが、彼女には大学の友達と行ったことがあると嘘をついていた。だから、スムーズにエスコートする必要があった。僕は、嘘がばれないように必死であった。幸い、前日の下見もあって、スムーズに店に到着することができた。

店は、連休ということもあって、とても混んでいた。僕と彼女は店に並ぶ間にお互いの近況について話をした。彼女はよくしゃべる。自分のことばかりしゃべる。自分の話をしっかり聞いてくれる男がいいのだと言う。僕は、ただ彼女の話に耳を傾ける。そして、時折、彼女自身についてコメントしてあげる。

「○○は、見た目チャラそうだけど、意外に真面目だね」などと言ってあげた。

そうすると、彼女はとても喜んでくれた。

しかし、ここで、彼女とのディスコミュニケーションを感じた。彼女は自分の話をするばかりで、僕のことを全然聞かなかった。また、自分は僕がどんな人間に見ているのか、自分は僕のことをどう思っているのか、そういうことをまったく言わなかったのである。

それからパンケーキを食べて、一緒に原宿で服を見たり、近くの明治神宮を散歩したりした。うまくエスコートはできなかった。彼女はどんどん先に行ってしまう。彼女のほうが、世の中を知っていた。しかし、時より男の僕に気を使って、「エスコートされているフリ」をしてくれた。僕は少し暗い気持ちになった。

なんとかして主導権を取り戻さなければならない。このままではセックスできないかもしれない、そう焦った。そんな中、夕食の時間が迫ってきた。ここが正念場である。僕は、高石さんのブログ(「すぐにセックスできる飲食店について」)で紹介されている店に彼女を連れて行った。そこで、僕は彼女を口説いた。

 

僕は彼女を必死で口説いた。

彼女はグダついた。僕をまだ信用できない、遠距離恋愛は辛いからしたくない、結婚願望があるから遊びではできない、と言った。僕は、ナンパ塾で教えられたセオリー通りに、自分の夢や目標を語り(将来性アピール)や、わざと怒ったり拗ねたりして(「好きな人に拒否されて、悲しくないわけないだろ」と言ったり、わざと携帯をして彼女を無視したりなど、思いつく限りの姑息な手段を使った)自分の持てる力の全てを尽くして彼女を口説いた。必死すぎて「お前の中に入りたいんだ。セックスすれば、○○のことをもっと知れるから」など、わけのわからないことも言った。しかし、なぜかこのわけのわからない口説き文句で、彼女はOKした。そして、彼女の宿泊するホテルに行くことになった。

僕は、歓喜した。圧倒的歓喜である。会計の前に、僕はトイレには入った。トイレでガッツポーズをとった。そして、トイレの小さな窓に向かって、つい叫んでしまった。「ついにやった!」と。人生で一番うれしかったと思う。

しかし、ホテルに入って彼女はまたグダった。「まだ早いよ」と言った。なんとかこのグダを崩そうとしたが、ダメであった。僕は大いにショックであったが、もう仕方ない。明日に賭けるしかない、そう思いながら彼女の横で寝た。こうして、1日目が終わった。

 

2日目の朝。

僕は早朝にホテルをこっそり抜け出して、いったん家に帰った。とても疲れていた。自分のベッドで休みたかったのである。少し寝た後、彼女と渋谷でまた会った。

本来は2日目は、ディズニーランドに行くつもりだったが、僕に金がなくていけなくなった。しかも、僕は寝坊して彼女を2時間も待たせた。彼女にフォーエバー21の前で会った時に、こう言われた。「あと1時間遅れたら、嫌いになっていた」と。僕は少しドキッとした。完全に僕に食いついてると思っていたが、そうでもないのかなと思った。

そして、彼女とパルコのそばにある、エクセシオールに入った。そこで、彼女の日常生活について聞いた。僕の中では、この時間が一番印象に残っている。

田舎の保育士としての日常―保護者からの理不尽な苦情、どうしても好きになれない子ども、保育士同士の些細ないさかい、何もやることがない休日―彼女の話から見えてくる、彼女のリアルは、変化の乏しい退屈な日常である。彼女は、閉塞感を抱えていた。また、家にお金がなくて東京の大学に行けなかったらしい。だから、保育士になるしかなかったと言う。

そんな彼女の話を聞いていると、僕まで息が苦しくなった。自分と同世代の若い女の子が、こんなにも閉塞感を抱えて生きているのかと。僕は、自分の無知が恥ずかしくなった。そして、どうして彼女が僕の下手なナンパに着いてきたのか、ようやく理解できた。彼女は、誰でもよかったのである。自分を閉塞した日常から連れ出してくれるなら、誰でもよかった。そんな彼女をディズニーランドへ連れていけなかったので、僕は自分がとんでもない悪人ではないかと思った。

 

エクセシオールを出て、池袋に言った。サンシャインの展望台に行った。そこで、一緒に東京の景色を眺めた。少しでも非日常を経験してもらえらばいいと思った。そこで、景色を眺めながら、彼女の理想の結婚生活について聞いた。

「一緒に料理をつくりたい。あたしが指示を出して、旦那さんに手伝ってもらうの。作ったら、それを兄弟みんなで一緒に食べて…」

彼女は五人兄弟の長女であった。僕はつい聞き入ってしまった。

 

そして、夕食を食べて、また夜が来た。

今日の夜が最後のチャンスである。姑息な僕はちゃんと手を打っていた。昨日彼女の部屋に行った時に、携帯の充電器を「わざと」置いてきた。これで、再び彼女の部屋へ行く口実ができる。「今日こそ俺は童貞を捨てるんだ」そう決意していた。

しかし、一緒にホテルのある浜松町へ向かう電車の中、僕は急に怖くなった。僕は、彼女とセックスできるのか?やはりそれが不安になった。僕は彼女に一切性的な魅力を感じていない。彼女にまったく欲情しない。僕は彼女と本当にできるのか?不安で仕方なかった。

電車が浜松町へ近づくにつれて、この不安は膨らんだ。不安は膨らんで膨らんで、耐えきれなくなり、ついに僕は途中で電車を降りて彼女と別れてしまったのである。降りてから、すぐに後悔した。このままでは、僕は新しい経験をする機会を永遠に失ってしまう。しばらく駅のプラットホームにあるベンチに座り、葛藤した。そして、腹をくくった。LINEで彼女に、やはり今日も部屋へ行きたいと伝えた。彼女は、OKしてくれた。彼女は浜松町で待っていてくれた。終電は、もうなかった。待っててくれた彼女は僕に、

「どうして追いかける気になったの?」

と聞いてた。

それに僕は、

「○○と、もっと一緒にいたいと思ったんだ」

となんとか答えた。冷や汗が出ていたと思う。

 

ホテルに入る前に、コンビニにコンドームを買いにいった。

僕は買うのが初めてだったために、どこにあるのかわからなかった。あらかじめ用意しておくべきであったと後悔した。必死にコンビニ中を探し回った。コンビニのどこに置いてあるか、携帯でググったが、いまいち的確な情報が出てこない。どうしよう、彼女が待っている。もう店員に聞くしかないと思ったが、その時は店員は若い女性が二人しかいなかった。少しの葛藤の末、恥を忍んで、僕は聞いた。案内してもらった…童貞全開。恥ずかしかった。もはや自分を客観視したら、負けだと思った。

 

ホテルに入った。

彼女が先にシャワーを浴び、僕があとからシャワーを浴びた。

それから、しばらくドラマを見た。たしか「35歳の高校生」だったと思う。スクールカーストをテーマにしたドラマを見ながらセックスか…なにか象徴的だなと思った。

その流れで、高校時代の話をした。僕は高校の時は引きこもっていたから、「高校時代の話」など、できるはずがない。だから、彼女の話を聞くだけであった。その話の中で、彼女の地元では、高校時代のことを「現役時代」と呼ぶという話が出た。なんでそう呼ぶのかと聞くと彼女は、

「高校が遊べる最後だからね」

と答えた。僕は世界を何も知らない。そう確信した。

 

いよいよ、人生初のセックスである。

しかし、僕は実際どうやって挿入までの流れをつくるのか、わからなかった。だから、とりあえず、胸を触った。そして揉んでみた。冷たくて柔らかい。人生で初めて、僕は他人の女性の胸を触った。だが、ここから先どうすればいいかわからなかった。彼女に経験人数は5人と嘘をついていたので、ここまでは嘘がバレてしまう。僕は焦った。女の子を不安にさせてはいけない、そう言われていたから、なんとか取り繕うとした。AVで見た、いやらしい手つきで、ひたすら胸を揉み続ける。次第に、頭が真っ白になっていた。

そうしていると、彼女が助け舟を出してくれた。

「椅子になって」

そう言われた。彼女は僕にもたれかかってきた。デブなので、すごく重かった。

そして、人生初のテマンをした。湿った気持ち悪い感触であった。僕は、これがテマンか、みんなよくこんなことするなと思った。こんなことを女性にしたと言って、いったいなんの自慢になるんだろう。手が濡れて臭くなるだけではないか。僕の中の幻想が、またひとつなくなった。

彼女をベットに倒した。彼女は前戯をしっかりやってほしいと言う。僕は彼女の身体をなめまわした。太った人の汗の味…どんな味が想像してほしい。彼女の顔をタオルで隠したり、丸いあごと大きなお腹をタプタプした。僕は爆笑してしまった。彼女は少し怒ったようだった。

 

いよいよ挿入を試みる。

とりあえず、穴らしきものに、入れてみた。すると彼女が、

「だめ、そんなんじゃ。もっと固くなってないと」

と注意された。それで、彼女は、

「あたしが勃たせてあげる」

と言って僕のものを触ってきた。

僕は、反射的に彼女の手を払いのけた。僕は、

「いいよ。自分でやるかさ」

と言った。彼女に自分の性器を触られるのが、怖かった。

 

中々勃たなかったが、なんとか規定値まで固くなり、入れた。

すごく痛かった。すぐに抜いてしまった。

また、入れようとしたが、怖くなった。が、ここまで来たら最後までやらないわけにはいかない。彼女は、喜ぶとも、悲しむとも、していない。昨日一緒にパンケーキを食べていたのと、同じ表情だった。

 

また、入れた。もう少し長く入れてみた。

イクことはできなかった?よくわからない。最後は自分でした。

 

こうして2日目が終わった。

 

3日目の朝。

彼女と渋谷のカフェでお話して、最後にカラオケをして別れた。相変わらず、彼女は自分の話ばかりで、僕はそれに耳を傾ける。僕と彼女は、最後までディスコミュニケーションしかなかった。言葉においても、身体においても。

プリクラをとった。彼女と一緒にプリクラ。僕がやりたくてもやりたくてもできなかったことが、できた。でも、うれしくはなかった。

 

彼女を浜松町まで送った。別れ際に、

「毎日連絡しようね」

とお互い約束した。

 

その後、お互い連絡はとっていない。

 

僕は彼女のおかげで、童貞を捨てられた。

彼女は、僕から何を得たのだろうか。僕は彼女に何を与えられのだろうか。

僕は彼女が僕のことを好きだと思っていた。でも、それは違った。僕は、彼女にとって、閉塞感を癒すための、束の間の話相手だったのだろう。彼女は、僕が童貞であったこと見抜いていた。嘘がたくさんあることも知っていた。でも、だまされたフリをしていてくれたのだろう。僕は彼女に感謝している。

 

ありがとう。

 

2013年4月12日に大阪の心斎橋で行われた宮台真司先生とのイベント

「宮台真司・男女素敵化計画第四弾 /愛のキャラバン・大阪死闘編」

に登壇させて頂きました。

「 プロフィール(初めての方へ)

もご覧ください。