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Nanpa is Suicide

誰でも読めるが、誰にも読めないブログ。

ホストの先輩と深夜の歌舞伎町でナンパした時の話(1)

ホスト ナンパ

今はもう飛んでしまったホストの先輩と一緒に、深夜の歌舞伎町でナンパした時の話。

その先輩は今は飛んでしまったけど、彼のことはよく覚えている。

2月の歌舞伎町。冷蔵庫の中のように、寒い寒い夜だった。

彼はぼくがホストクラブに入店した一日目に、僕を二郎に連れて行ってくれた。 

ぼくは初日の夜で不安だった。仕事が終わり、みんなどこかへ行った。ある人は寮へ行き、ある人は営業へ行った。もちろん、ナンパへ行く人もいた。ぼくは夜の歌舞伎町で1人でどうしていようか。なんて考えていた。

すると、彼が声をかけて来た。ラーメンに行こうと誘ってくれた。ぼくは嬉しかった。でも、とても緊張していた。ホストとラーメンに行くなんて、ぼくにはまだ怖かった。だが、ここにいる人間と仲良くできなければ、なにかを何かを得ることはできないだろう。そう考えて、思い切ってぼくは、彼に着いて行った。

お店を出て、風林会館のある大きな通りに来た。ここはいつも、ホストやキャッチなどが大勢おり、通行人を威圧している。

ぼくはこの道を通りたくない。心を閉ざして他人に話しかける人たち。ぼくの心まで凍りついてしまう気がする。氷の道だ。もう二度と通りたくない。

ぼくと彼は、風林会館からその道をまっすぐ少し歩いて、二郎に着いた。

ぼくはここで、ホストの世界のことについて、彼にいろいろと教えてもらった。

彼は、いつも一方的に話す。早口で自信満々に。自分が世界で一番正しいかのように話す。

彼は、いろいろな職業を経験してみたいのだと言う。普段は芸能関係の仕事をしているらしい。嘘か本当かは今だにわからない。

彼の話はいつも、嘘と本当が半分づつくらい混じっていたと思う。彼は明らかな嘘でも、自信満々についた。ぼくは、それがホストというものなんだろうと思っていた。だから、ぼくも彼のまねをして、明らかな嘘を自信満々につくようになった。


ぼくは二郎に来たのは初めてだったので、どれくらいの量が出されるか、まったくわからなかった。

頼んでみると、かなりの量が来てしまった。ぼくがびっくりしていると、彼はこう言った。

「先輩に奢ってもらう時は、全部食べないとダメだよ」

彼は先に黙々と食べながら、ぼくの顔を見ないで言った。ぼくは彼にそう言われたので、がんばって食べようと思った。

ぼくが一生懸命に食べていると、彼は微笑みながら、「おう、がんばって食べてるな笑」と言った。そして、ぼくの目を覗き込んで、「早く食べて、2人でナンパに行こう」と言った。

ぼくは、先輩に「早く食べろ」と言われたのだから、とにかく早く食べないといけないと思った。彼を待たせてしまっては悪い。もしぼくが彼を待たせてしまうようなことになったら、どうしよう。そう思って、とても不安になった。ぼくは、さらにがんばって食べようとした。

だが、その時、突然二郎に代表ホストが現れた。

「お前ら、何してんねん!」

怒鳴ってきた。ぼくは一瞬、何が起こったかわからなかった。

呆然としているぼくと違い、彼はすぐに「すみません!すぐ出ます!」と言って、ぼくの手を引いて外に出た。

外に出ると、代表ホストはもういなかった。彼は、必死にそのホストを探し始めた。

少し探すと、そのホストは、隣のカレー屋さんにいた。彼はそのホストに、再度頭を下げて謝った。彼が頭を下げたので、ぼくも咄嗟に頭を下げた。そして、彼とぼくは、そのカレー屋さんから素早く出て行った。

ぼくはまだ、何が起きたかわからなかった。彼に事情を聞いてみた。

「なんか代表は、二郎が嫌いみたいだね」

と彼は言った。ぼくはバカなので、「理解できない行動できないですね」と言った。すると、彼は笑いながら、「そういう世界だからさ。上の人の言うことは絶対なんだよ」と言った。


とてもびっくりしたけど、ぼくは助かった。二郎のラーメンは全部食べられそうになかったから。よかった。

いろいろあったけど、ぼくと彼は、夜の歌舞伎町でナンパを始めた。

深夜の2時ごろであった。


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(2)に続きます。